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コラム Vol.05 ライフプランの作成に必要不可欠なもの

前回までのコラムで、『人生の地図』と呼ばれるライフプランの役割は、お分かり頂けたと思います。 そこで、今回は、ライフプランを作成するにあたり、その前提となる、もうひとつの重要な概念をお伝えしたいと思います。

みなさんは、ライフデザインという言葉を聞いたことがありますか?
例えば「結婚するかどうか」「独立や転職をするかどうか」などは、個人の価値観を反映した自分らしい生き方につながる選択です。 この様な、価値観に基づいた『人生の選択』をライフデザインとよんでいます。 私がお客様のライフプランの作成をお手伝いさせていただく際に、その方向性を決定付けるものとして、ライフデザインが非常に大切だと考えています。 きっかけは、私がFPとして駆け出しの頃、友人から言われた言葉です。

当時20代だった私と同年代で独身の友人にライフプランの作成を勧めたことがありました。 私のお勧めなら…とライフプラン作成のお手伝をさせてくれた彼女から、完成したプランについてこんな感想を貰ったのです。 それは「ライフプランを立てることは必要かもしれないけれど、何となく自分の将来を決め付けられている気がする。」というものでした。 結婚・出産・退職といったイベントが当然起こるものと想定して、作成したライフプランに違和感を覚えたというのです。

正直、ショックでした。そこから数年間、決め付けにならないライフプランを作成するにはどうすればよいか、 を考える日々が続きました。そして、FPの仕事を続けていく中で、少しずつわかってきたことがあります。 それは、正解は1つではないということ。 生き方が多様化している今、その選択は1人1人の価値観に深く関っており、簡単に想定できるものではないということです。

それは、結婚・出産・退職など具体的なイベントをライフプランに盛り込む前に、例えば、彼女のように「結婚しても出来る限り仕事は続けたい」「子供についてはあまり優先順位が高くない」といった価値観を持っている場合、それに基づいたライフデザインをしっかり把握してから、そうしたイベントの要否や、時期を想定するべきだったということになります。

お客様にとって、イベントの達成はもちろん大切です。 でも、その前に、イベント自体がお客様のライフデザインに合ったものであることが大前提なのです。

このことに気が付いてから、お客様のお話をより一層丁寧に聞かせていただくようになり、また、勝手にイベントを想定することをやめて、お客様のご意向を都度確認をさせていただきながらライフデザインと大きなズレがないように、二人三脚でライフプランの作成に取り組んでいます。

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